目次
はじめに 松永 京子
序章
第四の波のかなた─エコクリティシズムの新たなる歴史編纂的比喩を求めて
スコット・スロヴィック/伊藤 詔子訳
第Ⅰ部 エコクリティシズムの源泉─風景の解体と喪失
1 作家オーデュボンの先駆性─辺境の他者表象から探る
辻 祥子
2 メルヴィルの複眼的自然観─野生消滅への嘆きから自然の猛威の受容へ
大島 由起子
3 メルヴィルの『雑草と野草─ 一本か二本のバラと共に』を読む─自然の蘇生と自然を通しての人間の蘇生
藤江 啓子
4 「ナショナルな風景」の解体─ホーソーンの「主として戦争問題について」をめぐって
大野 美砂
5 産業革命による個の発見と喪失─ソローと漱石の鉄道表象
真野 剛
6 マーク・トウェインの自伝と〈ミシシッピ・パストラリズム〉
浜本 隆三
7 ポーとポストヒューマンな言説の戦場─「使い果たされた男─先のブガブー族とキカプー族との激戦の話」
伊藤 詔子
第Ⅱ部 エコクリティシズムの現代的展開─語り始めた周縁
8 レイチェル・カーソンの『潮風の下で』─ヘンリー・ウィリアムソンの影響を探る
浅井 千晶
9 地図制作者が描く幸福─ソローとリック・バスの挑戦と実践
塩田 弘
10 ルース・オゼキの『イヤー・オブ・ミート』とメディア
岸野 英美
11 アラスカ先住民族の病─疫病の記憶と後世への影響
林 千恵子
12 アリステア・マクラウドと環境に関する一考察─故郷はいつもそこにあるのか
荒木 陽子
第III部 SFとポストヒューマン─境界のかなたへ
13 SFにおけるエコロジー的テーマの歴史の概観
デビッド・ファーネル/原田 和恵訳
14 ナサニエル・ホーソーンはポストヒューマンの夢を見るか
中村 善雄
15 ポストヒューマン・ファルスとして読む『真面目が肝心』
日臺 晴子
16 カート・ヴォネガットのエコロジカル・ディストピア─『スラップスティ ック』におけるテクノロジーと自然
中山 悟視
17 ポスト加速時代に生きるハックとジム─パオロ・バチガルピ小説におけるトウェインの痕跡
マイケル・ゴーマン/松永 京子訳
18 ポストヒューマンの世界─上田早夕里『オーシャンクロニクル』シリーズにおけるクイア家族
原田 和恵
19 日野啓三の文学における物質的環境批評─ティモシー・モートンとブライアン・イーノを手掛かりに
芳賀 浩一
第Ⅳ部 核時代の文学─アポカリプス、サバイバンス、アイデンティティ
20 ラングストン・ヒューズの反核思想─冷戦時代を生き抜くシンプルの物語
松永 京子
21 ルドルフォ・アナーヤの四季の語りと核
水野 敦子
22 核戦争後の創世記─バーナード・マラマッド『コーンの孤島』と喋る動物たち
三重野 佳子
23 火に生まれ、火とともに生きる─ジュリエット・コーノの『暗愁』
深井 美智子
24 ジュリエット・コーノ『暗愁』における有罪性─エスニック文学の新しいナラティブをめぐって
牧野 理英
25 燃えゆく世界の未来図─マリー・クレメンツの劇作にみるグローバルな環境的想像力
一谷 智子
終章 聖樹伝説─ヨセミテの杜、熊野の杜
巽 孝之
おわりに 塩田 弘